【2月 冬の日のfine】
2月に入ると、那月よりも砂月でいる時間の方が多くなりました。
さっちゃんはやはり厳しいです。
「ヘボい演奏してんじゃねぇ」とか言われちゃったりするんですが、もはや砂月に言われても全然イヤじゃない(笑)
いろいろと厳しいことを言ってくる砂月ですが、それは全て那月を思ってのこと。
春歌も、砂月ほどには無理でも、もっと那月のことを理解しよう、守ってあげられるようになろうと思うのでした。
楽器収録の日。
この日は、那月でした。
緊張している春歌に、「じゃあ、緊張の解けるおまじないをしてあげます。……目をつぶって」と言って、まぶたにチュウwさらに抱き締めたり、愛の言葉を囁いたり(笑)
日向先生も、半ば諦め気味に呆れています(笑)
収録は無事終了♪
レコーディングルームからの帰り、突然那月が胸を押さえてしゃがみ込み、ポケットから何かが落ちました。
春歌:「懐中……時計?」
何気なく手を伸ばすと、
砂月:「それに……触れるな……」
砂月にチェンジしてしまったようです。
何か重要な物なのでしょうか。
入れ替わりの激しいこの不安定な状況に、「限界なのかもしれない」と言い、ふっと切なげに微笑む砂月…。
それから三日間、那月も砂月も学園には来ませんでした。
放課後、那月の部屋にやってきた春歌。
翔くんの話によると、那月は三日前に倒れたきり、まったく目を覚まさないのだとか…。
名前を呼んでも応えてくれない那月。
春歌:「那月くん……無理してたんだね。気づいてあげられなくてごめんなさい」
手をぎゅっと握って指にそっと口づけると、目を覚ましてくれました。
那月が「ぎゅってしたい」(←この言い方カワイイよな~w)と言うので、ベッドに横になって抱き枕のような状態に( ´艸`)
そして那月は、安心したように寝息をたてて眠ってしまいました。
那月と砂月、互いに認識したことで精神に負担がかかり、那月は衰弱してしまっています。
どうすればいいのかと思い悩む春歌ですが、気付くと眠ってしまっていました。
目が覚めると、那月ではなく、砂月の腕の中にいました。
ヒエェ~違います違います!!!(/Д\*)←
砂月:「……冗談だ。真に受けるなよちんちくりん」
……(´・ω・`)
砂月:「……お前。何か俺に言いたいことがあるんじゃないのか?」
春歌:「……言いたいことというか聞きたいことなら……」
砂月:「そうか。俺はてっきり、『那月のために消えてくれ』って言われると思ってたけどな」
春歌:「そんなこと……」
砂月:「それでも……俺は消えるわけにはいかない。俺が消えたら、誰があいつを守ってやれる?お前だって、所詮は他人だ。いつか那月を裏切る……」
春歌:「そんなことありません!」
そして砂月は、那月が過去に大好きだった人に裏切られた話をしてくれました。
その大好きだった人とはヴァイオリンの講師で、少し内気なところもあったが、前向きで明るく、那月をいつも褒めていた。那月が落ち込むと、『先生はなっちゃんの音色が大好きよ、自信を持って』と言って励ましてくれた。
ある夏の日。
那月は、その先生に自分の作った曲を聴かせた。『先生にだけ特別に聴かせてあげる。他の人には絶対言っちゃダメだよ』と言って。
ところが、先生はそれを自分の曲として発表し、それなりの評価を得た。
那月が悲しそうな顔で『先生、どうして?』と問いかけると、先生は泣きながら『ごめんね。でも、先生、どうしてもこのままで終わりたくなかったの』と言って、那月の前から姿を消した。
…酷い話。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。
そして、砂月が生まれた。
砂月は、懐中時計を取り出すと、蓋の裏側を見せてくれました。
そこには、『那月』の刻印と、その横に幼い字で『砂月』と書かれていました。
砂月:「これは、あいつが初めてヴァイオリンで賞をもらった時に、通っていた教室からもらった懐中時計だ。そして、それを渡したのはあの女だった。以来、ずっと宝物だったそれは、あの日、刻を止めた。
初めて連れて行ってもらった南の海で、あいつは砂の城ばかり作って、夜になってもそこから離れなかった。夜空を照らした満月と砂の城。そのふたつが幼い那月の心に特別綺麗に映ったんだろうな。しかも、翌朝、砂の城は波にさらわれ跡形もなく消えていた。積み上げてきたものが一瞬で消える切なさ、儚さ、そして消えるからこその美。それらが、あの曲には込められていた。思い出の時計は刻を止め、那月はあの女の存在を心の中から消した。そして、変わりに生まれたのが俺だった」
長くなるので、今回はここまでで。
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